Mechanism
体内から分泌される水分と油分などから形成され、肌ツヤとなり肌を柔らかくなめらかに保ちます。皮脂膜は角質層のバリア機能を補って肌を外の刺激から守り、肌の乾燥を防ぎます。皮脂は年齢とともに分泌量が減少する傾向にあります。過剰な皮脂は、酸化すると肌の刺激になったり、外気の汚れの付着によるくすみや、毛穴の黒ずみ、ニキビ、化粧崩れの原因となる場合があります。
肌に負担をかけないクレンジングや洗顔で余分な皮脂を取り除き肌をいつも清潔に保ってください。洗顔で肌を擦らず、皮脂を取りすぎないことも大切です。洗顔後は、肌に自然になじむ適度な水分と油分を補ってうるおいを保ち、乾燥や刺激から肌を守りましょう。
肌表面の角質層は厚さ約0.02mmの薄いラップフィルムのような膜です。からだ全体を覆って、体内の水分の蒸散を防ぐと同時に、外界の刺激を防ぎます。角質層は角質層細胞といわれる分裂しなくなった細胞がレンガ造りのように重なっており、その間を水分と油分を含む含む細胞間脂質がセメントのような役割を果たし、水分と天然保湿成分(NMF)を含む角質層細胞を規則正しく固め、肌のうるおいバランスを保っています。
角質層のうるおいが不足すると、バリア機能が低下し、肌が外の刺激に敏感になって、肌トラブルを起こしやすくなります。肌なじみのよい水分と油分をバランスよく与えて、うるおいを保ち角質層のバリア機能を強化することが大切です。角質層は横の力や摩擦にに弱いため擦らないようにお手入れすることがコツです。
基底層で生まれた表皮細胞は形を変えながら角質層に押し上げられ角質層細胞となり、やがて垢となって落ちてゆきます。このように肌が新しく生まれ変わってゆくことをターンオーバー(新陳代謝)と呼びます。このターンオーバーが規則正しく行われていると、角質層はしっかりとしたバリア機能を形成します。ターンオーバーの周期はおよそ28日です。周期が速くなっても遅くなっても、表皮細胞が角質層に移行する際に、角質細胞の水分(NMF)やセメントの役割をする細胞間脂質がうまく形成されず、肌はなめらかさを失なったり、ごわついたりします。
肌にうるおいと栄養を与えてバリア機能を補い、肌を乾燥や紫外線、物理的刺激から守り、肌の生まれ変わりを整えましょう。ターンオーバーが規則正しく行われると、古いものはうまく押し出され、みずみずしくうるおいのあるなめらかな肌が順調に生れてゆきます。そのためには、肌に負担をかけないスキンケアはもちろん。食生活や睡眠などライフスタイルを見直すことも肝心です。
主にコラーゲン、エラスチンと呼ばれる線維と、ヒアルロン酸などのムコ多糖類で構成されています。これらは、線維芽細胞から、生みだされ新陳代謝を繰り返します。コラーゲンは、エラスチンに支えられて真皮の中を梁のようにめぐらし、立体的な網のような構造を作り、肌のハリと弾力を支えています。水分を抱え込むヒアルロン酸はそれらの間を埋め、真皮のハリとうるおいを保っています。
強い紫外線を浴びすぎたり、擦る引っ張るなどの肌への刺激は、コラーゲン、エラスチンの規則正しい構造を乱し、しわやたるみの原因となります。また、肌のごわつきや、黄ばみの原因となることもあります。紫外線を浴びすぎないことと、肌に負担をかけず、肌のうるおい機能とバリア機能を守り、素肌の自然なはたらきを支えるスキンケアがおすすめです。
薄い表皮のすぐ下、真皮最上部には毛細血管が通っています。基底層で生まれる表皮細胞は、毛細血管から栄養や酸素を受け取り、老廃物や二酸化炭素を排出し美しく生まれ変わります。血行が悪くなったり、血液の栄養分が不足していると,からだが不調になるだけではなく、肌のターンオーバー(生まれ変わり)にも影響します。一方、血行が良く血液が栄養分で満たされていると、ターンオーバーがスムーズになり、美しい素肌が生み出されると同時に肌の赤みがさして透明感も高まり冴えた肌色に。
リラクゼーション、適度な運動、良質の睡眠、栄養バランスが大切です。そして、季節や年齢に左右されにくく、血行の良い快活なからだを作りましょう。ときには、お風呂でゆったり温まり、素肌への思いやりをこめてじっくりとスキンケアをしてみてはいかがでしょうか。気持ちにゆとりができて入浴後のお手入れが楽しみに。
Function
肌表面のうるおいを守るのは、体内から分泌される皮脂膜、そして角質層内にあるNMF(天然保湿成分)と細胞間脂質の役割です。NMFと細胞間脂質は、規則正しいターンオーバーによって、生みだされ、肌の水分をしっかり掴んで角質細胞を水分で満たします。細胞間脂質は、細胞と細胞をつなぎとめると同時に、水分を挟み込んで、うるおいをつなぎ止めています。
皮脂膜とうるおいのある規則正しく整った角質層が、外部からの刺激を防いで、素肌とからだを守ります。肌表面の角質層は、爪や髪の毛を構成するケラチンからできていますが、髪や爪と違うところは、ひとつ1つの細胞には水分が多く含まれ柔軟であることです。水分や細胞間脂質といったうるおい機能の働きにより、美しく規則正しく並んで、バリア機能を形成しています。